『旧約聖書』の最初の五書(「創世記」「出エジプト記」「レビ記」「民数記」「申命記」)は、
彼の著作とみなされ「モーセ五書」とよばれた。
キリスト教にとっても、彼は旧約を代表する人物であり、「律法はモーセを通して与えられたが、
恵みと真理はイセス・キリストを通してあらわれた」(『新約聖書』「ヨハネによる福音書」)
といわれるように、新約の核となるイエスに対照させられた。
イスラム教でも、アラビア語でムーサーと呼ばれる彼は大預言者として尊敬されている。
歴史的にみれば、おそらく最初は雑多な部族集団の寄せ集めにすぎなかったエジプト避難民を、
ヤハウェとの契約を核とする宗教共同体にまとめあげた点、
またそもそもそれまで「父祖の神」という以外には固有の名も知られていなかった神への信仰を
形あるものとし、律法お祭儀の大枠を定めて後のユダヤ教の基礎を置いた点、
以上の2点にモーセの役割を認めることができよう。
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